整調&整音ってどんな事をするのか、一般の人はあまり知らない人が多いと思います。
整調&整音の話を一つ一つ話しだすと長くなるのでやめておきます。
私は良く例え話でお客様に説明しています。
何年も動かさなかった車を点検もしないで動かすには少し勇気がいります。
長い年月には、車体にもホコリはつくし、知らず知らずのうちにキズも付いているものです。バッテリーは生きているのか?ファンベルトは?エンジンの中の小さなパーツは?気になりだしたらきりがありません。
ピアノも良く似ています。ピアノが傷むのは、第一に弾かない事、次に湿気です。
アップライトピアノの場合は、上下運動を前進運動に切り替える為にいろんなパーツが動く事で音を奏でているのです。
そもそも整調&整音とは、そのピアノが持っている最高の状態に戻してあげて演奏のしやすくするのが整調&整音です。
- 調律の為の修理
- ピッチ(音の高さの確認)
- 調律1回目(ピッチ上げ)
- アクション各部のネジ締め
- バランスピンの確認と修理
- フロントピンの確認と修理
- バランス調整
- フロント調整
- バランスホール調整
- 鍵盤の傾き調整
- 鍵盤の前後調整
- パイロットの傾き調整
- 打鍵距離の統制
- 第一パイロットの調整
- 白鍵の高さ調整
- 黒鍵の高さ調整
- 白鍵の深さ調整
- 黒鍵の深さ調整
- 第二パイロット調整
- 接近調整
- 調律2回目
- ハンマーバックストップ調整
- バックチェック調整
- ブライドルテープ調整
- 鍵盤の隙間調整
- ハンマー走り調整
- ハンマー捻じれ調整
- 弦合わせ
- ウィッペン間隔調整
- ハンマーフィアリング調整
- レギュレーティング確認
- 接近再調整
- ダンパー始動(スプン)
- ダンパー総上げ調整
- 止音確認
- ダンパーペダル調整
- ソフトペダル調整
- 弱音ペダル調整
- 調律3回目
- 雑音の確認
1 整調前所見
人に例えると病院の問診の様な事になります。
言葉を使って伝える事や表情など、いろんな方法でお医者さんに症状を伝えれば良いのですが、ピアノは、言葉を話せない。
だからこそ、心からピアノが好きで、傷付いたピアノを観ると悲しくなり、なんとかしてあげたいと心から感じるような調律師が観ると、今のピアノの状態からは、想像出来ないぐらい良くなります。
2ハンマーの走りとねじれ
13 ハンマー走り 14ハンマーねじれの所見
・ハンマー走り
通常ハンマーは鍵盤を打鍵することにより弦に対して真っ直ぐ動き弦を打弦します。ハンマーの走りとはハンマーが動き出すと真っ直ぐに進まず、弦の面に対して左右どちらか斜め方向に動いてしまい、弦をしっかりと打弦しなくなってしまいます。
調整使用道具:走り紙
・ハンマーねじれ
通常、弦を打弦するハンマーのヘッドの部分は弦の面に対して、真っ直ぐに向いているのですが、ハンマーのねじれとは走りとは違い、打鍵する前からハンマーのヘッドが左右どちらか斜め方向に向いてしまっている症状です。
調整使用道具:ハンマーシャンク
3弦合わせとファイリング
12 弦合わせとファイリングの所見
・弦合わせ
低音部では1~2本、中・高音部では3本の弦が張られています。ハンマーヘッドが弦に対して真ん中を打鍵することで本来の音色を出すことが出来ます。弦合わせとは、ハンマーが弦を打弦する際にハンマーヘッドの真ん中に当たらず、左右どちらかに寄ってしまい、ひどい場合には3本ある内の2本しか弦を打弦しなくなってしまう事もあります。
調整使用道具:ドライバー
・ファイリング
ハンマーの弦を打弦する部分には羊毛のフェルトが使われているため、長年弾かれているピアノのハンマーヘッドの部分には弦の溝(弦溝)がついてしまいます。この状態で弾き続けるとハンマーがぶれてしまい、弦合わせがずれてしまいます。さらに、フェルトの部分が潰れてしまうと音が響かなくなってしまい、こもったような音色になってしまいます。
調整使用道具:ペーパーヤスリなど
4バランスホールとフロントホール
15 バランスホールとフロントホールの所見
鍵盤はシーソーのように手前を押すことで後ろ部分が上がり、アクション機構が動き出しハンマーが動き弦を打弦し音がなります。
鍵盤の手前をフロント、真ん中をバランスといい、フロント部分にはクロスが貼られており、バランスの方には穴(バランスホール)が開いています。通常ならば、鍵盤を押し離すと元の位置に戻ってくるのですが、フロントに貼られているクロスが湿気や長年の劣化により膨らんだり剥がれたりしてしまうと、鍵盤がしっかりと戻ってこなくなり、次の打鍵や連打が不可能な状態になってしまいます。この症状を「鍵盤のスティック」と呼びます。バランスホールも同様に鍵盤は木材で作られているため、湿気などによりバランスホールの穴が縮小してしまい、鍵盤のスティックが起こってしまいます。
調整使用道具:キープライヤー、バランスホールリーマーなど
5鍵盤の高さと深さと傾き
17 鍵盤の高さ 19 鍵盤の深さと傾きの所見
・鍵盤の高さ
鍵盤の高さとは、白鍵、黒鍵の上面が同じ高さになる様にそろえる作業のことを言います。この作業は整調作業の最初の部分になるためこの調整がずれてしまうと、この後の調整が全く意味をなくしてしまうのでとても重要な調整となります。鍵盤が高すぎると、タッチが重く感じられ、低すぎると強弱(特にp(ピアノ))が出なくなってしまいます。さらに、鍵盤の高さがガタガタだとグリッサンド(手のひらで鍵盤の上面を滑らすように演奏する奏法)がスムーズにできなくなってしまいます。
そして、鍵盤の高さがそろっていないと、見た目のブサイクになってしまいます。
調整使用道具:均し定規、紙パンチング(バランスペーパーパンチング)など
・鍵盤の深さ
鍵盤の深さとは、鍵盤を押したときにどれくらいで鍵盤が下に着くかを調整する作業の事です(調律師は鍵盤の深さ調整を「あがき」と呼びます)。このあがき調整がバラバラだと強弱がつけにくくなってしまったり、鍵盤のタッチが重く感じられたりします。あがき調整をする際には基準より低くなっていると「深い」、逆に高くなっているときは「浅い」と表現します。
調整使用道具:あがき定規、紙パンチング(フロントペーパーパンチング)など
6パイロットの調整
18 キャブスターボタン、パイロットの所見
・パイロット(キャプスタンボタン)の調整
パイロット(キャプスタンボタン)とは鍵盤の後方部分の取り付けられている部品の事を呼びます。鍵盤のフロントを打鍵すると後方が持ち上がりアクションが動き出しハンマーが動き弦を打弦し音が鳴ります。この鍵盤を押したときにアクションに動きを伝える役目があるのがパイロット(キャプスタンボタン)となります。このパイロット(キャプスタンボタン)がしっかりと正しい位置にないとタッチが重くなってしまったり、強弱がつけづらくなってしまいます。この部品を調整する際は、パイロット(キャプスタンボタン)本体ではなく、それを支えているキャプスタンワイヤーを左右・前後に曲げ調整を行います。
調整使用道具:ワイヤープライヤー、ワイヤーベンダーなど
7ハンマー接近
20 ハンマー接近量の所見
ハンマー接近(レットオフ)調整とは、ハンマーが弦を打弦した際に、ハンマーが弦から離れないと音が響かず止まってしまいます。なので打弦をしっかりと弦から離れるようになる仕組みをハンマー接近又はレットオフと言います。この調整の際には「広い」「狭い」といった表現をします。
接近が広すぎても狭すぎてもしっかりと鍵盤を打鍵した際の力がハンマーに伝わらず演奏者が思った音色を出すことが出来なくなってしまいます。さらに強弱(特にpp(ピアニッシモ))を出そうとしても音が出なくなってしまったりして演奏がとてもしづらくなってしまいます。
音色やタッチ、ダイナミックレンジに対して大きく影響が出てしまう調整なので非常に重要となります。
使用調整道具:レギュレーティングドライバーなど
8バックチェックワイヤーの調整
バックチェックワイヤーの所見
・バックチェックワイヤーの調整は「向き・角度・左右位置・前後調整」の4つの項目を調整します。バックチェックの向きの調整を調律師は「ごきげん直し」と呼びます。そもそもバックチェックとは、打弦後に戻ってきたハンマーの動きを正しい位置で止め、リバウンド(ハンマーが弦を2度打弦すること)を起こさないようにする部品の名称のことです。このバックチェックの位置が極端に位置がずれてしまうと、バックチェック同士がこすれて雑音になったり、ときにはハンマーが正しく元の位置に戻ってこなくなってしまうという現象が起こってしまいます。なので、しっかりと次の打弦につなげられるように調整をしないと演奏が出来なくなってしまう重要な調整となっています。
調整使用道具:ワイヤープライヤー、ごきげん直しなど
9ダンパー総上げと始動
22 23 ダンパー総上げと始動の所見
ダンパーとは、ハンマーが打弦した弦の振動を止め、止音する際に必要な部品の名称です。通常は3本又は2本あるペダルの一番右側のペダルを踏むことによりダンパーが始動し、弦から離れて音が伸びるようになり、ペダルを離すとダンパーが弦を押え止音します。
ダンパー総上げとは、ペダルを踏んだ際にすべてのダンパーが同じタイミングで始動するように調整する作業の事を言います。ダンパー総上げが極端にそろっていないと、ペダルを踏んだのに1つの音だけが伸びなかったり、離したのに1つの音だけが伸び続けてしまうというような症状が起こってしまうので、止音不良となってしまいます。ペダルの調整は鍵盤と同じく演奏者が直接触れるとこなので重要な調整となってきます。
調整使用道具:ダンパーレギュレーターなど
10スプリングコードとブライドルテープ
スプリングコードとブライドルテープの所見
・スプリングコードとは、バットスプリングコードといいバットという部品に取り付けられている部品の名称です。打鍵後、ハンマーを素早く静止位置に戻す役割を持っています。このスプリングコードが切れてしまうとそれに連なるバットスプリングが効かなくなってしまい、同音連打やテンポの速い曲を演奏するのが難しくなってしまいます。
・ブライドルテープとは打弦後のハンマーアッセンブリーを静止位置に戻す役割を果たす部品の名称です。この部品はアップライトピアノのみについている部品となります。グランドピアノのハンマーは上下運動なので重力により自然に静止位置に戻るのですが、アップライトピアノのハンマーは水平移動となる為、自ら静止位置に戻るのが不可能なのでブライドルテープを用いて戻します。あと、アクションの脱着を容易にする役割も果たしています。
11フレンジコード修理
フレンジコードの修理工程
バットスプリングがあることでハンマーが静止位置に素早く戻る様になるのですが、バットスプリングを固定しているフレンジコードが切れることによりハンマーが静止位置に戻りにくくなり、同音連打が難しい状態になってしまったりと演奏するうえで大きな支障が出てしまいます。
ピアノの設置環境にもよりますが、大体製造されて20年以上経過しているヤマハのピアノにこのフレンジコードの修理が必要になってくる場合が多いです。このフレンジコードは全鍵盤(88key)にあり、1本でも切れ出すとおそらく残りの87本も交換をした方が良いと思われます。もし、交換をしないで弾き続けてしまうと、フレンジコードから外れたバットスプリングが解放されてしまい、後方に取り付けられているダンパーに引っかかってしまうので、スプリングが変形してしまいスプリングの修理もしないといけなくなってしまいます。
※フレンジコードが茶色に変色しているときは交換のポイントです。
12ファイリング
ファイリングの作業工程
長年弾き続けているとハンマーヘッドの先端に弦溝が出来てしまい、そのまま弾き続けると金属的な音色になってしまいます。なのでこの弦溝を落とすためにペーパーヤスリなどを用いて羊毛のフェルトを弦溝が薄く残るくらいまで削って行きます。この際に、弦があたるハンマーの先端にはなるべくヤスリを当てず削って行きます。最終的にきれいな卵型のハンマーヘッドの形になれば完成となり、もとの響きのよいきれいな音色を出すことが出来ます。
13ハンマー走り調整
ハンマー走りの調整工程
ハンマーが走っていると正しく弦を打弦しなくなってしまいます。極端に言えば、3本弦のうちの2本弦しか打弦しなくなってしまうようなこともあるのでしっかりとした音が出なくなってしまいます。この場合、一度ハンマーアッセンブリーを取り外し、フレンジという部品にのり紙(走り紙)を左右どちらか走っている方側に貼り、ハンマーアッセンブリーをアクションに取付けもう一度走っていないかを確認し、なければ修理は終了となります。
14ハンマーねじれ調整
ハンマーねじれの調整工程
ハンマーヘッド自体が打弦前からすでに左右どちらかに傾いている状態をいい、この状態を治すにはシャンクプライヤーといった道具を使用し修理をしていきます。
ハンマーは木材でできているためハンマ―シャンクの部分をシャンクプライヤーで温めることにより木の繊維がほどけて柔らかくなります。このときにハンマーヘッドを正しい方向にねじってあげることによりねじれが解消されます。
15バランスホールとフロントホール
バランスホールとフロントホールの調整工程
バランスとフロントのホールが狭くなってしまったりすると、鍵盤の戻りが悪くなってしまい最悪の場合鍵盤を押したら上に戻ってこなくなってしまうような症状が起こってしまいます。これを鍵盤のスティックと言います。
鍵盤は木材でできているため湿気なので水分を含んでしまうとこのような症状が現れます、もしくは、バランスホールに埃などがたまってしまい、穴を狭くしてしまっているのも原因の1つになります。なので、まずはバランスホールの穴を掃除してあげればスティックが改善する事も有りますが、これでもダメな場合は、バランスホールリーマーを使用し穴を少し広げてあげるとスティックの症状が改善されます。しかし、広げ過ぎてしまうと今度は「ガタ」といった症状になるので注意が必要です。
フロントの場合はフロントホールにはクロスが貼られているのでこのクロスをキープライヤーという工具を使用しクロスを圧縮してあげるとスティックが改善します。これも圧縮しすぎると「ガタ」になってしまうので注意が必要です。
16ロストモーション調整
ロストモーションの調整工程
17鍵盤の高さ調整
鍵盤の高さの調整工程
18キャプスタンボタンの調整
キャプスタンボタンの調整工程
19鍵盤の深さ調整
鍵盤の深さの調整工程
20ハンマ-接近量の調整
ハンマ-接近量の調整工程
21ハンマ-ストップ調整
ハンマ-ストップの調整工程
22ダンパ-総上げ調整
ダンパ-総上げの所見&調整工程
23ダンパ-始動調整
ダンパ-始動の所見&調整工程
リメイクピアノ作業手順表1-
ピアノの状態を目、耳、指先の感覚を駆使して調律に不都合のある部分をチェックする。スティック「人に例えると関節がスムーズに動かない」が見つかりましたので修理、次に鍵盤の動きが少し固くなっているのでホールの修理調整後、調律「ピッチ上げ」をします。
リメイクピアノ作業手順表2-4
調律ピッチ上げが終わりアクション各部のネジ締めをします。約450本あるアクションのネジを適正な強度に締め付けますネジ山の溝を潰さぬ様に慎重に作業を進めます。
リメイクピアノ作業手順表5-12
バランスキーピンとフロントキーピンの確認、修理、調整。打鍵力を無駄なくハンマーに伝える為にバランスキーピンとフロントキーピンの錆びや汚れを取り、ピンの角度と間隔を正しい位置に調整する。パイロットの前後左右を調整する事により鍵盤を押さえた時の力がダイレクトに伝わり鍵盤の重たさも統一する事が出来ます。
リメイクピアノ作業手順表14-16
第一パイロット調整はハンマーとウイッペンの重みが正確にキャプスタンに乗って居るのかの調整です。
キャプスタンが低すぎると、鍵盤に遊びを感じ逆に高すぎると、スムーズにバットスキンの下にジャックが戻れません。ジャックが戻れないと、次の打鍵が出来ません。
次に鍵盤の高さを揃えるナラシです。
鍵盤の高さを、口棒から21±1mmを基準に平にせします。
鍵盤の上面を完璧にしないと、全ての作業に影響します。
平らに成った白鍵を基準にして黒鍵の高さを調整して行きます。
リメイクピアノ作業手順表17ー27
白鍵、黒鍵の深さ調整は鍵盤の深さを、上面から10±0.5mmを基準に平にします(ピアノによっては、この基準通り出来ない事も有ります。調律師は鍵盤深さの事を専門用語で(アガキ)と良く言います。
鍵盤の下には、パンチングクロスと言ってドーナツ型のクロスが入っています。
その下に、同じくドーナツ型の紙を入れて、調整します。
紙の厚さは、薄い物では、0.03mmまであります。
第2パイロット調整は鍵盤の高さ深さ調整の為に動かした第1パイロットの戻し作業です
20番接近調整。
接近調整は、鍵盤を静かに押さえると、ハンマーは弦に限りなく近づき、打弦しないで戻ります。
この運動は、ジャックがレギュレティグボタンに運動を制止されて回転運動をし、バットの下から外れるからです。
21番の2回目の調律も終わり
22番のハンマーバックストップ調整23番のバックチェック調整に入ります。
ハンマーが弦から跳ね返り、キャッチャーがバックチェックにくわえられる位置を調整します。
弦から15~17mm「打弦距離の1/3」の位置になるように、調整します。
バックストップ位置が近いと行き詰まった感じがします。
遠すぎると早い連打が出来ません。
ブライドルテープとは、細い5mmほどの帯状になっていて、キャッチャーに取り付けられ、片方をウィッペンから出ているワイヤー「ブライドルワイヤー」にかけられている。
主な役割は、打弦後のハンマーを元の位置に素早く戻す働きです。
アップライトピアノは構造上、アクションも縦置きになっているため自重で元の位置に戻る事が困難です。
そのためブライドルテープなどの補助的な部品により戻りを助ける事が必要になります。
25番の鍵盤の隙間調整は読んで字の如しです。
26番ハンマーの走りとは、センターピンと弦が、平行でない状態を言います。
走りがあると、ハンマーは斜めに運動してしまいます。
27番ハンマーの捻じれとは、弦を叩く時、ハンマーが弦に対して斜めになっていると綺麗な振動は得られない。
直し方はシャンクをシャンクプライヤーで暖めて、ハンマーが弦を垂直に叩くように調整します。
リメイクピアノ作業手順表28-34
28番弦合わせ
ハンマーの間隔を、弦に合わせます。
全てのハンマーが、等間隔になるようにします。
弦を移動できないときは、ハンマーの間隔を優先するために、走らせる事もあります。
29番ウイッペン間隔調整
ウイッペンは鍵盤の先に付いているキャプスタンボタンの上にあり、鍵盤とアクションのつなぎ目にあります。
キャプスタンボタンの真上にウイッペンが来るように合わせることで、鍵盤から伝わる力を余すことなく伝える事ができます。
30番ハンマーファイリング
ハンマーヘッドは圧縮された羊毛で硬いフェルトで出来ていますが、長年金属の弦を叩く事で弦溝ができ音色が硬く単調な音色になったり音色にムラが出来たりします。
又長年使用しないで放置しているとフェルトの質が硬化し、音色に変化がでる場合もあります。
そこでハンマーファイリングが必要になります。
粗い目の「ヤスリ」「サンドペイパー」で深い弦溝を取り除き打弦点が1番高い位置になるようにハンマーの形を整えて行きます。
31番レギュレーティングレール確認
ジャクテールにレギュレーテイングボタンがきっちり当たっているかの確認
32番接近再調整
20番の接近調整からいろんな部分を調整してきたのでもう一度再確認です。
33番ダンパー始動「スプーン調整」
ダンパースプーンは手前からは見えない所にあり、小さな耳かきみたいな形ちをしてます。
打弦距離の1/2ハンマーが進んだところで始動しダンパーを持ち上げ弦が振動できる状態にする。
34番ダンパー総上げ調整35番止音確認
右のダンパーペダルを踏んだ時にすべてのダンパーが弦から同時に解放されるように調整する。
又同時に消音されるように調整する。
リメイクピアノ作業手順表35-39
36番ダンパーペダル調整37番ソフトペダル調整38番弱音ペダル調整39番3回目の調律
3本すべてのペダルの確認と3回目の調律で終わりです。
やって来た事の簡単な説明です。
リメイクピアノ作業手順表40
やって来た事の簡単な説明です。