調律BLOG Tuning Blog

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初めまして、私はピアノ専業奈良株式会社にてピアノ調律師として勤めております奥田達哉です。

調律師としてはまだまだ未熟な私ですが、技術を上げるべく1日1日を大切に努力を怠らず日々精進している今日この頃です。

技術を上げるにはどうしたらいいのか、やはりそれはたくさんのピアノに触れ、たくさんの経験値を得る事で技術は向上するのではないでしょうか。

これからたくさん経験し、経験値を獲得してレベルアップをしていきたいと思っております。

ピアノの乾燥

12月も下旬に入り本格的に寒くなってきました。各地で雪が積もって大変苦労されているところもあるとか。

今回は寒くなってきたこの時期、人にもピアノにもあまり喜ばしくない乾燥についてお話をしていきたいと思っています。

日本各地では大体11月中旬からが人にとって寒いと感じる気温になってくると言われているそうです。そんな寒いと感じるようになってくると、その寒さと同じようにやってくるのが、「乾燥」になります。人にとって乾燥は非常に厄介な存在になってしまいますよね。例えば、乾燥によって肌トラブルが起きたり、空気が乾燥すると風邪ウイルスが活発化したりとかいろんな問題が起こります。

人にとって乾燥が敵なように、ピアノにとっても乾燥は非常に厄介な敵になります。

皆さん、ピアノの最適な湿度は何度かご存知でしょうか?・・・・・・・・・・答えは「約50%」です。

ではもし、湿度が50%より下回ってしまうとどうなるのか、なぜピアノは湿度の影響を受けやすいのか、などを話していこうかと思います。

ではまず

Q. なぜピアノは湿度の影響を受けやすいのか?

A. ピアノというのはほとんど木材を使って作られています。この木材が湿度の変化に大きく影響を及ぼします。木は空気中の水分量の影響をもろに受けてしまいます。例えば、水分量が多い(多湿状態)と、吸収し膨張したりします、逆に水分量が少ない(乾燥状態)と、木材は水分が抜けて痩せてしまいます。このような状態がピアノにも起こってしまうのです。

Q. 湿度が50%より下回ってしまうとどうなるの?

A. 適切湿度を下回ってしまうと、色々な問題が発生しますが、大まかに答えをまとめると、非常に変な音が出る弾きにくいピアノになるということです。

では、どのような問題が生じるのか。

発生問題① アクションの動きがガタガタになってしまう ←タッチが悪くなる

発生問題2 調律が狂いやすくなる             ←綺麗な音がバラバラに

発生問題③  木材が反ったり、割れたりしてしまう      ←響板や駒が割れたら最悪です

上記のような問題が発生してしまいます。

このような乾燥を防ぐにはどうしたらいいのか?

1番いいのは加湿器を置くことです、

ピアノにある加湿器の条件としては

①. ピアノを設置している部屋の大きさに適応しているか ←部屋が小さいのに大きい加湿器を買うと今度は多湿になってしまう場合があります

②. 湿度設定が可能か                   ←50%になるように自動でスイッチが切れたり入ったりするタイプがあれば一番いいですね

③. 蒸気が出ないやつがいい                ←蒸気がピアノにかかりすぎると最悪です

上記の3つをクリアしていれば

ですが、加湿器を買うまでは・・・という方にはバケツに水を入れてピアノの近くおいてみてはいかがでしょうか(水は大体半分より下ぐらい)。←結構効果あり

 

カシュー塗料のピアノについて

皆さんは、カシュー塗料というのをご存知でしょうか?

では、カシューナッツという名前だと大体の皆さんは聞いたことがあるのではないでしょうか。整腸作用があり、ダイエット効果や美肌効果がある食べ物です。

カシュー塗料というのは、カシューナッツの殻から絞り出した油が原料に使われている塗料になります。この塗料が使われているピアノを磨く際には非常に大変です。

ピアノの塗装には、時代によって使われている塗料が異なっています。現在のピアノは「ポリエステル」という塗料が主流となっています。

※ちなみにポリエステル塗料は、「不飽和ポリエステル樹脂塗料」というのが正式名称になります。ピアノの他にも、安価なギターやベースに多く用いられている塗料です。

その他にも、ラッカー塗料や漆塗料、ニス塗料、カシュー塗料などといった塗料で塗装されているもあります。世に出回っているピアノのほとんどはポリエステルもしくはラッカー塗料で塗装されているのが多いです。

その中でも、ラッカー塗料で塗装されているピアノは厄介です。何が厄介かというと、磨き作業を行うときが非常に大変です。何が大変かというと、ポリエステルやラッカーで塗装されたピアノを磨く際、コンパウンドという研磨剤を使用し磨くとピアノの外装の曇りがキレイとれて鏡面の状態に戻ります。しかし、カシュー塗料を磨くときにコンパウンドを使ってしまうと、コンパウンドをつけたところがシミになってしまい、どれだけバフという機械で磨いても落ちなくなってしまいます。さらには、カシュー塗料というのは時間が経つにつれて油が抜けてしまうので鏡面で仕上がっていたはずのピアノが全体的に白っぽく曇ってしまいます。さらに、手でピアノに触るだけで手の跡が残ってしまうという状態になってしまいます。このような状態になったら最後、磨くのがとても大変です。艶を戻す方法(もう一度油を含ませてあげることで艶を戻す方法があります)はあるのですがそれでもラッカーやポリエステルのピアノを磨くよりもたくさんの時間を使ってしまうので、作業効率が悪くなってしまいます。(私自身の知識不足で、もしかしたらもっと簡単に艶を出す方法があるのかもしれませんが・・・)。

今後ありとあらゆるピアノに対応できるように、私自身の知識を増やしていきたくさん経験を積んでいこうと思う今日のこの頃です。

販売用ピアノの磨き作業

これから販売予定YAMAHA U1Hのピアノを磨いています。

最初は全体的に白っぽく汚れていたピアノがバフという機械を使って磨いていくうちにだんだんと綺麗になっていくのがわかり、かなり綺麗になりました。

   ←まるで鏡のように仕上がりました。(大変満足)

磨き前↓              磨き後↓

       

ペダルも綺麗になりました。金属を磨くとき、最初の状態からだんだんの輝きが戻っていく時って、とても気持ち良くなるのがとてもいいですね。

 磨き前↓               磨き後↓

       

私はこれまでに何台もピアノの磨き作業を行ってきました。これまでの経験で磨く作業もだんだんとスピードupして効率よく作業が行えるようになったのではないかかと思われます。

やはり人は汚れているものが綺麗になっていくのを見ているととても清々しい気持ちになりますね。

このピアノは、巻線が切れているためこれから全巻線の交換と整調と調律を行っていきたいと思います。

 

プレゼントピアノの修理と整調、調律

「チャレンジャー:アップライトピアノのプレゼント企画」にてプレゼントとしてご用意しましたピアノのアクションの修理と整調そして調律をすべて行いました。1台まるまるのアクションの修理や整調などいままでに片手で数えられるぐらいの数しか行ってきませんでしたが、私が今持っているすべての技術をこのプレゼントピアノに注ぎました。

私は断言します。「このピアノは良いピアノに仕上がった」と。

私は、1台1台のピアノを常に100点満点中100点になるようにこれからもたくさんの努力を怠らずにしていこうと思っています。

ホームページ内の「色々やってみた」という項目にてこのプレゼントピアノの修理や整調、ピアノの構造の解説などを行っている動画をアップしていますので、そちらも見ていただけるとうれしいです。

この動画をきっかけによりたくさんの人にピアノという楽器について、詳しく知ってもらえたらと思っております。